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iPhoneの衛星通信でできること・できないこと|圏外の緊急SOSとメッセージの使い分け

登山や離島、山間部など、携帯電話の電波が届かない場所で「もし何かあったらどう連絡すればいいのか」と不安になる人は多いはずです。iPhone 14以降には、そんな圏外の場所で衛星を使って連絡する機能があります。ただし、衛星通信は通常の携帯電話の通信とは勝手が大きく違います。できることとできないことを事前に知っておかないと、いざというときに使い方が分からず、時間をロスしてしまいます。

iPhoneの衛星通信でできること・できないこと|圏外の緊急SOSとメッセージの使い分け
出典: Wikimedia Commons「Satellite Communication Antenna of Submarine in B-396 Museum 10-feb-2015.jpg」(CC BY-SA 3.0) https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Satellite_Communication_Antenna_of_Submarine_in_B-396_Museum_10-feb-2015.jpg

結論からいうと、圏外でiPhoneができるのは、緊急SOSで緊急通報サービスに連絡すること、メッセージで家族や友人と連絡を取ること、「探す」で位置情報を共有することです。いずれも、空が見える屋外で、メッセージの送信に時間がかかることを前提にした機能です。写真や動画を送るような使い方はできません。この記事では、Appleの公式サポートの説明をもとに、対応条件と使い方の違い、事前にしておく準備を整理します。本記事は公式情報に基づく仕組みの解説で、実際に衛星通信を使った検証ではありません。

衛星通信でできること・できないこと

Appleの説明では、iPhone 14以降(全モデル)では、モバイルデータ通信やWi-Fiの電波が届かないときに衛星通信との接続を利用して、緊急通報サービスにテキストメッセージを送ったり、ロードサービスを手配したり、友人や家族にメッセージを送ったり、自分の居場所を知らせたりできるとされています。国や地域によって提供される機能は異なります。

機能できることできないこと・注意点
衛星経由の緊急SOS圏外で緊急通報サービスにテキストメッセージを送る。日本では110・118・119への連絡が対象として挙げられている通常の電話のように話すわけではない。位置情報や緊急時の情報とともにテキストで伝える形になる
衛星通信経由のメッセージ圏外でiMessageやSMSでテキスト、絵文字、タップバックを送受信する(提供国は米国・カナダ・メキシコ・日本)グループメッセージで写真や動画、音声メッセージ、ステッカーは送受信できない。緊急時には使わず、緊急SOSを使うこと
衛星経由の「探す」圏外で自分の位置情報を共有・更新する常時追跡する仕組みではない。共有するタイミングや条件は機能の説明に従う
衛星経由のロードサービス圏外でロードサービス業者に連絡する(提供される国・地域による)日本での提供有無は、Appleの提供状況の説明で個別に確認する必要がある

使い分けの原則はシンプルです。緊急のときは緊急SOS、無事の連絡や待ち合わせの調整はメッセージ、自分の居場所を伝えたいときは「探す」です。メッセージを緊急連絡に代用すると、相手が気づくまでに時間がかかったり、必要な情報が伝わらなかったりするおそれがあります。

対応条件:機種・iOS・場所は全機能共通、SIMはメッセージ機能の条件

衛星通信が使えるかどうかは、機種だけで決まりません。機種・iOS・場所の3つは全機能に共通する条件です。これに加えて、メッセージ機能には有効なSIMが必要です(条件表の最後の行)。

条件内容
機種iPhone 14以降(全モデル)。ただし、アルメニア、ベラルーシ、中国本土、キルギスタン、カザフスタン、ロシアで購入したモデルは対象外。香港・マカオで購入したモデルはiPhone 16e以降でのみ利用できる
iOS緊急SOSの日本での利用にはiOS 17.6以降が必要。メッセージの利用には、米国・カナダ・日本ではiOS 18以降、メキシコではiOS 18.4以降が必要。圏外に出る前に最新バージョンに更新しておくことが推奨されている
場所携帯電話やWi-Fiの電波が届かない場所にいること。電波が届く場所では「設定」に衛星通信のオプションは表示されず、コントロールセンターの衛星通信オプションは接続デモを開く
SIM・通信事業者(メッセージ機能のみ)メッセージ機能には有効なSIMが必要です。衛星経由でSMSを送るには、契約している通信事業者が衛星経由SMSに対応している必要があります。iMessageを使う場合は、圏外に出る前にiMessageを有効化しておくことも条件です。

また、Appleの説明では、衛星通信機能はiPhone 14以降のアクティベーション後2年間は無償で利用できるとされています。2年後以降の扱いや、通信事業者が提供する衛星通信機能の有無は、契約内容や時期によって変わるため、出発前に確認しておくのが確実です。

衛星通信のつなぎ方と、時間がかかる理由

衛星は動きが速く、帯域幅が狭く、地球から数百キロメートル以上離れているため、通常の携帯電話の通信とは勝手が違うとAppleは説明しています。そのため、次のような特徴があります。

  • 送信に時間がかかる:空と地平線が直接見える理想的な条件下でも、メッセージの送信に30秒以上かかることがある。木の下や高緯度地域、局地的な条件によっては数分かかる場合がある
  • つながらない場所がある:葉が密に茂った木の下や、その他の障害物に囲まれた場所では、衛星通信接続ができない可能性がある。丘や山、峡谷、背の高い構造物も接続を妨げる可能性がある
  • 緯度の制限がある:アラスカやノルウェーの北部など、緯度62度を超える場所では、衛星通信接続が利用できない可能性がある
  • 持ち方に注意:iPhoneを普段通りに手に持ち、ポケットやリュックの中に入れたままにしない。信号が遮断されないように左右に曲がったり移動したりする必要がある場合、iPhoneが画面で案内する

接続の手順は、コントロールセンターまたは設定アプリの「衛星通信」から、使いたい機能を選ぶ形です。iOS 18以降では、圏外にいるときに接続アシスタントを使って衛星通信機能にアクセスでき、画面に接続手順が表示されます。実際に圏外に行く前に、電波が届く場所で衛星通信接続デモを試しておくと、いざというときの操作に迷いにくくなります。

出発前にしておく準備チェックリスト

  1. iOSを最新に更新する:圏外に出る前に更新しておく。圏外では更新できない
  2. iMessageをオンにしておく:衛星経由でiMessageを使うには、圏外に出る前にiMessageをオンにしておく必要がある
  3. 緊急連絡先とファミリー共有を設定する:圏外に出たあとでも、緊急連絡先やファミリー共有のメンバーはSMSでメッセージを送ることができる。緊急SOSを使った場合、緊急連絡先の情報や位置情報などが共有される仕組みになっている
  4. 連絡先のiOSも確認する:衛星経由でiMessageを受け取るには、相手がiOS 18以降を使っている必要がある。SMSで返信してもらうには、相手がiOS 17.6以降を使っているか、非Apple製デバイスを使っている必要がある
  5. 衛星通信接続デモを試す:屋外の比較的開けた、空がまっすぐに見通せるところで行う。木の下では接続に時間がかかり、葉が密に茂っていると接続できない可能性がある
  6. 「探す」の事前設定を確認する:紛失対策としての「探す」の設定は、圏外に行く前に済ませておく。詳しくは別記事の紛失対策の確認手順も参照する

なお、衛星通信は「電波が届かない場所でも、通常と同じように使える通信」ではありません。あくまで、テキストでの連絡と位置情報の共有に絞った非常時の手段です。登山や離島に行くときは、衛星通信だけに頼らず、行動予定を家族や友人に事前に伝え、モバイルバッテリーや紙の地図など、通信以外の備えも合わせて用意してください。

まとめ

iPhoneの衛星通信は、iPhone 14以降で、圏外の屋外で空が見える場所という条件のもと、緊急SOS・メッセージ・「探す」による連絡を可能にします。メッセージ機能には有効なSIMが必要で、SMSには通信事業者の対応も要ります。日本では、緊急SOSはiOS 17.6以降、メッセージはiOS 18以降が条件です。送信には30秒以上かかることがあり、木や地形によってはつながらないこともあります。緊急時はメッセージではなく緊急SOSを使い、出発前にiOSの更新、iMessageのオン、緊急連絡先の設定、接続デモの確認まで済ませておくことが、圏外での連絡を確実にする近道です。

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出典

※提供される機能や条件は、国・地域やiOSのバージョンによって変わります。出発前に、Appleのサポートページで最新の提供状況を確認してください。

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