AI翻訳は、海外の記事を読む、外国語のメールに返事をする、といった日常の場面では十分に実用的になりました。ただ「精度が上がった」と一括りにはできません。文の種類によって、正確さには大きな差が残ります。

精度が上がった根拠:公式の盲検テスト
DeepLは、翻訳に特化した次世代言語モデルの公式発表で、専門翻訳者による盲検テストの結果を示しています。それによると、新モデルは日本語と英語の翻訳で旧モデルの1.7倍の頻度で「良い訳」と評価されました。
他サービスとの比較では、同じ品質に仕上げるための編集量が、Google翻訳では2倍、GPT-4では3倍必要だったとされています。もっとも、これはDeepL自身の発表です。割り引いて読むとしても、定型的な文章の翻訳では、専用サービスが実用の域に達している目安にはなります。
得意な文
- 一般的なビジネスメールや手紙、製品の説明文、ニュース記事
- 文の構造がはっきりしていて、前提の省略が少ない文章
- 話し言葉のやりとり(NICTのVoiceTraのように、対面の会話に特化した公的な翻訳アプリもあります)
苦手な文(誤訳が残りやすい)
- 数字・日付・金額・固有名詞が多い文。一か所の間違いが致命傷になる
- 敬語や婉曲な言い回し。丁寧さの段階がずれることがある
- 主語や前提を省いた短い文。前後の文脈がないと取り違える
- 契約・法律・医療など、用語の正確さが求められる文
- ジョークやことわざなど、文化的な言い回し
精度を見極める3つの手順
- 逆翻訳する:訳文を元の言語に戻し、意味が保たれているか確かめる
- 数字と固有名詞だけは目視で全て照合する:ここは読み飛ばさない
- 2つのサービスで訳し比べる:訳が割れた箇所こそ、間違いが潜みやすい場所です
精度はサービスとモデルでも変わる
同じ翻訳でも、専用サービスと生成AIチャットの訳し方は違います。専用サービスは定型文の正確さに寄せ、チャット型は「丁寧に」「やわらかく」といった口調の指定に応じながら訳せます。どちらが上かではなく、用途で使い分けるものです。
また、同じサービスでもプランで使えるモデルが変わることがあります。DeepLの次世代モデルは、有料のProプラン向けに提供が始まりました。精度を求める用途では、無料版の結果だけで判断しないほうがよいでしょう。
用途で割り切る
- 下読み・内容の把握・下書き:AI翻訳で十分なことが多い
- 対外的に送るメール:数字と固有名詞の確認をしてから送る
- 契約書や公開する文書:人の翻訳者や専門家の確認を前提にする
翻訳そのものの注意点は別記事にまとめています。精度の話と合わせて読むと、使いどころが見えてきます。
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出典
DeepL「次世代言語モデルの提供開始に関する公式発表」、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)「VoiceTraサポートページ」。いずれも2026年11月2日に確認しました。
この記事はアマガジェ編集部(あまと)が作成しました。事実は各公式情報で確認し、原稿作成の一部に生成AIを活用しています。