iPhoneのパスコードを忘れて「iPhoneは使用できません」と表示されたら、焦って何度も推測で入力し続けるのは逆効果です。パスコードを忘れた場合、Appleの公式な復旧方法は「iPhoneを消去してからバックアップから戻す」ことです。パスコードだけをこっそり解除して中のデータをそのまま残す方法はありません。
結論からいうと、復旧の分かれ目は「Apple Account(Apple ID)のパスワードが分かるか」「Wi-Fiやモバイル通信につながるか」「バックアップがあるか」の3つです。3つがそろえば本体だけで消去して復旧できます。そろわない場合はパソコンを使った復旧になり、バックアップがなければデータは戻りません。まず消去の前に、バックアップの有無とApple Accountのパスワードを確認することが、後悔しないための最優先事項です。本記事はAppleサポートの説明に基づく手順解説です。
まず確認:パスコードを変えたばかりなら「以前のパスコード」
iOS 17以降で、パスコードを変更してから72時間以内であれば、「パスコードをお忘れですか?」の画面から「以前のパスコードを入力」を選ぶことで、消去せずに解除できる場合があります。新しいパスコードを思い出せないが、変更前のパスコードは覚えている、という場合にまず試す価値があります。72時間を過ぎている場合や、この選択肢が表示されない場合は、次の消去の手順に進みます。
方法1:本体だけで消去する(iPhoneが使えない画面から)
パスコードを何度か間違えると「iPhoneは使用できません」や「セキュリティロックアウト」の画面になり、画面の隅に「パスコードをお忘れですか?」(iOS 15.2〜16では「iPhoneを消去」)が表示されます。条件は、iPhoneがWi-Fiまたはモバイル通信につながっていること、「探す」がオンになっていること、Apple Accountのパスワードが分かることです。
- 「パスコードをお忘れですか?」をタップし、「iPhoneのリセットを開始」をタップする
- Apple Accountのパスワードを入力して、Apple Accountからサインアウトする
- 「iPhoneを消去」をタップする(eSIMを使っている場合は、eSIMを残すか削除するかを選ぶ)
- 消去が終わったら初期設定画面から進み、バックアップがあれば復元する
この方法で消えるのは、iPhone本体のデータと設定です。iCloudに同期されている写真や連絡先などは、消去後に同じApple Accountでサインインし直すことで戻ってくるものがあります。一方、バックアップを取っていなかったアプリのデータや、本体にしかないファイルは戻りません。「消去=すべてがiCloudから消える」ではない、という点だけは誤解しないようにしてください。
方法2:パソコンで復旧する(本体だけでは直せない場合)
本体の画面に「パスコードをお忘れですか?」が出ない、通信につながらない、Apple Accountのパスワードが分からない、といった場合は、パソコンを使った復旧になります。必要なのは、MacまたはWindowsパソコン、充電できるケーブル、インターネット接続です。
- iPhoneの電源を切る
- ケーブルをパソコンにつなぎ、Face IDモデルではサイドボタンを押したままケーブルをiPhoneにつなぐ
- Appleロゴが表示されてもボタンを離さず、パソコンとケーブルの絵が表示されるまで押し続ける(リカバリモード)
- MacではFinder、WindowsではApple DevicesアプリでiPhoneを選び、「復元」を選ぶ
- ソフトウェアのダウンロードと復元が終わったら、初期設定からバックアップを復元する
ボタン操作はモデルによって異なり、iPhone 7/7 Plusは音量を下げるボタン、iPhone 6s以前や初代iPhone SEはホームボタンを使います。ソフトウェアのダウンロードに15分以上かかることもあり、その間にiPhoneがリカバリモードを抜けてしまった場合は、ダウンロードが終わってからもう一度リカバリモードに入り直します。
復旧できるかどうかの判断表
| 状況 | 使える方法 | データは戻るか |
|---|---|---|
| 変更から72時間以内で以前のパスコードが分かる | 以前のパスコードで解除 | 消去なしで戻る場合がある |
| Apple Accountのパスワードが分かり、通信につながる | 本体だけで消去して復元 | バックアップがあれば復元できる |
| 上記がそろわないがパソコンがある | パソコンでリカバリモードから復元 | バックアップがあれば復元できる |
| バックアップがない | いずれの方法でも消去が必要 | 本体だけのデータは戻らない |
| Apple Accountのパスワードも分からない | まずApple Accountの回復手続きが必要 | 回復が終わるまで復旧は進めにくい |
消去する前に必ず確認すること
- 最後のバックアップはいつか(iCloudまたはパソコン)
- Apple Accountのメールアドレスとパスワードが分かるか
- eSIMを使っている場合、消去時に残すか削除するかを決めておく
- ボタンが反応しない、画面が割れて操作できない場合は、無理に進めず修理・サポートへ相談する
なお、他人のiPhoneのパスコードを解除する目的でこの手順を使うことはできません。消去後にアクティベーションロックがかかる場合があり、元のApple Accountの情報がなければ使い続けられません。自分の端末であることを証明できる情報(購入時の情報やApple Accountの情報)を用意しておくことが大切です。
出典:Appleサポート「Use a computer to reset your iPhone and your passcode」(https://support.apple.com/en-my/118430、2026年10月28日確認)。画面の表記や手順はiOSのバージョンやモデルによって異なる場合があります。